代表幹事ごあいさつ
一般社団法人 金沢経済同友会
代表幹事 福光松太郎
代表幹事 砂塚 隆広
私たち金沢経済同友会は、「ふるさとのありように心を砕く」を活動の理念に掲げながら地域経済の発展を図り、多くの住民が「ふるさと」に誇りと自信を持つことのできる地域社会づくりを目指しています。また、現実的で具体化が可能な提言やアイデアを発信する一方、自ら行動することによって実現していこうという方針も活動の志として掲げています。
2024年元日の能登半島地震と同年9月の集中豪雨によって、私たちのふるさとは奥能登を中心に大きな被害を受けました。本格的な復興は実質的に本年度から始まりますが、これに当たっても当会は機会あるごとに、現実的かつ建設的で、実現可能な提言・提唱を行うとともに、自らも行動することによって、地域に貢献したいと思っています。
その一つが、本年度、日本財団の助成と、北國新聞社の特別協力を得て行う能登沿岸の藻場調査です。能登半島地震と豪雨被害によって、能登沿岸の藻場にどのような変化が起きているのかを明らかにするもので、沿岸漁業再生のポイントになると思われます。会の特別委員会の下に組織した専門家のワーキングチームが実際の調査に当たりますが、こうした学術的な類の調査を経済同友会が手掛けること自体、全国的にも稀有なことです。調査の成果はその都度、内外に発信し、能登の漁業関係者を元気づける契機にしたいと願っています。
能登の復興にとっても、石川県全体の地域発展のためにも欠かせないのが、北陸新幹線の延伸です。これについても昨年、現実的で実現可能という観点から、与党が決定したものの着工の見通しが立っていない「小浜ルート」を見直し、「米原ルート」への切り替えを提唱しました。南海トラフ地震などが懸念される中、一刻も早く大阪につなぐことが北陸新幹線の使命とも言え、本年度は関係国会議員らとも連携しながら、「米原ルート」を再度土俵に上げるため行動する決意です。
私たちの活動の柱には「歴史と文化を大切にした地域づくり」があります。北陸新幹線の金沢開業当時から当会は、石川県には文化立県、金沢市には文化都市を目指すよう提唱してきました。この考えは近年、県や金沢市などの政策に重点的に取り入れられるようになり、その一環として文化観光磨きに力が入ってきています。当会と金沢商工会議所、石川県芸術文化協会が協力して22年に立ち上げた石川伝統芸能支援経済人会議の活動も、この文化観光磨きの一翼を担っています。
私たち金沢経済同友会は、心ある経済人の方々と力を合わせ、これからも積極的な提言を行い、その実現に向けた行動を力強く進めていきたいと考えています。